日時…2019年6月21日
会場…市民ホール
講師…黒野明日嗣理事
テーマ『認知症が教えてくれたこと』
地域連携室 東郷容功
NPO法人シオンの家は会員の皆様、地域の皆様、関係機関の皆様に支えられ令和元年6月に設立15周年を迎えました。ここに深く感謝申し上げます。15周年の節目として記念行事を企画し6月21日に記念講演会を催したところ200名を超えるご出席を頂き、盛大に挙行することができました。誠にありがとうございます。
NPO法人シオンの家は平成16年に保健、医療又は福祉の増進を図る特定非営利活動を目的に鹿児島県にNPO法人として認証され、平成17年に介護施設宅老所シオンの家が誕生しました。居室数4部屋、一日のデイサービスの定員数10名の小さな施設でありましたが、西村理事長のどんな認知症の利用者様も断らず、個別対応で徹底的に利用者様と向き合う事で本人らしい生活が最期まで継続できるという理念に集った職員達で支え合ってきました。現在、シオンの家は有料老人ホームとして鹿児島市内に5事業所、南九州市に2事業所を運営しトータルでは居室数60部屋、一日のデイサービス定員数約100名という規模に成長しました。規模は大きくなりましたが今も理事長の下、全ての職員が開設時の理念に沿って日々研鑽しながら利用者様のケアにあたっています。
記念講演会は慈愛会いづろ今村病院院長でありシオンの家に賛同頂き理事も務められている黒野明日嗣先生が「認知症が教えてくれたこと」という講演をいただきました。先生は認知症とは短期記憶障害だけでなく他者とのコミュニケーション障害であり、人間だけがケアできる疾患であると仰っています。私たちは開設当初から個別対応こそが認知症の不安を和らげ信頼関係を構築し本人らしい生活が望めると実践してきました。そして認知症の利用者様からたくさんの教えを頂いてまいりました。今後も法人の理念を実践し続け利用者様やご家族、地域の方々に愛される法人を目指して前進していきたいと思います。
●改めて自分の声かけについて反省することができました。認知症の方とのかかわり方をもう一度勉強するつもりです。
●『感情のままに生きている(感情に素直)』という言葉が印象的でした。自分の介護の仕事を優先させてしまい、利用者様を服従させていたかもしれません。明日からの介護に『服従か?寄り添いか?』を心において皆様と接していきたいと思います。
●日々のケアで活かせることがたくさんありました。とても考えさせられる講演内容でした。
●介護をする立場ではないのですが、人間関係、自分の行動を反省するいい機会になりました。ありがとうございます。今後介護をする立場(両親)となる時に役立てたいです。
●扁桃体がその人らしさを作るのなら、それを理解することで本人にとって良い対応ができるかもしれない。不同意メッセージを正しく理解することでBPSD(認知症に伴う行動、心理症状)への移行を回避できると、本人は穏やかに過ごすことができると分かりました。今後の認知症介護が楽しみになってきました。
●BPSDには分類があること、内部・外部要因があることを知りました。グループホームで働いていますが、『何かさせないと』と業務的気持ちになることが時折あり、介護者の都合が動機になっていたのではと振り返ることができました。のんびり過ごすのも、入居者にとっては穏やかに過ごすために大切だと思いました。
●こちらの感情も言動や行動で伝わる。気を付けて接していきたいと思いました。
●黒野先生の講演とてもわかりやすかったです。
普段のケアにおいて遮断は多くあるので、無理をせず仕切りなおすことを頭におき接していきたいと思います。『ケアをする』という姿勢より、『学ぶ』姿勢が大切だということが理解できました。
●病棟の患者様を思い浮かべながら講演を聞かせて頂きました。明日からのケアに役立てていきます。とても勉強になりました。